◆・・・9章:行方不明

「ふぁ〜・・・」
トットット、と軽快な音で階段を下りてくる。
綺麗な金色の髪に金色の瞳・・・。
国家錬金術師、エドワード・エルリックだ。
小柄な兄とはうってかわって、大きな鎧の弟、アルフォンス・エルリックが
ドシドシと下りてくる。
「あら!グッドモーニーング!!早いのね〜、おはよう。」
大量の洗濯物を抱えながら、の母が二人に言う。
「『おはようございます!』」
元気よく、朝の挨拶を交わす。兄、エドワードが異変に気づく。
さん・・・・・は?」
時刻はまだ午前7時。寝癖の悪いの事だ、まだ寝ているに違いない。
そう・・・誰があの部屋に居ない事を想像しただろうか・・・・・

コンッコンッ
軽い音でドアをノックするエド。呼んでみたが返事はない。
ー!!」
ドンッドンッ、何度もノックしてみたが、返事が無い。
異変に気づいたのか、少しきつくドアを叩く。
「・・・開けるぞ?」
少し不思議に思ったのか、侵入を試みる。が、しかし
ベッドの上に在るべき姿は無く、開いた窓に揺れるカーテン。
そして不自然にもベッドの真ん中にポツンと置かれた布帽子。
エドとが出会ってから、一度も脱がなかった帽子が
今、ベッドに置き去りにされている。
「どういう事だ・・・?」
取り乱すな、落ち着け。と自分の胸に言い聞かせるエド。
そこにあまりにも遅いと心配した弟、アルとの母が駆けつける。
『兄さん、どうしたの?は・・・・?』
「・・・・・」
の母が、ベッドの上の帽子をそっと持ち上げる。
真ん中に付いている、煌めく薄緑色の石を見つめて、大きく息を吐いた。
「・・・東方司令部に連絡します。」
の母が何時になく真剣な眼差しでエドとアルを真っ直ぐ見つめる。
いつもは瞑っていた瞳を大きく見開いて。その目は綺麗な薄茶色だった。

「あ・・・あのぉ〜・・・・」
「何?」
「えっ・・えと・・重くないですか?ここら辺で降ろしてもらえると嬉しいな〜・・・なんて」
「駄目v連れて帰らないと怒られるしー。大体こんな所で降ろしたら、命は無いと思うけど?」
・・下は立派な家並。は正体不明の誘拐犯に抱きかかえられて、その立派な家の屋根を跳び交っている。
「・・・・私は・・帰れますか?」
「うーん・・まぁ、言うとおりにしてれば、命は大丈夫だと思うよ。」
・・・正直言って恐い。得体の知れない恐怖心が襲ってくる。
こんな時・・こんな時こそ我が家の最終兵器を・・!

ガチャン!!
ビクッとしてエドもアルも音の正体を捜す。が、何なのかが分からない。
さん!今・・何か音が・・・」
手を口に当て、黙りこくり、考え込むの母。
「もしかしたら・・・エドワード君、アルフォンス君、ちょっと地下室を見てきて頂戴。」
『地下室・・ですか?』
「ええ、我が家の最終兵器が機動したのかも知れないわ。

「たっだいま〜♪」
「あら、遅かったじゃないエンヴィー。で、例のお嬢さんは捕まったのかしら?」
「ほい、此処に。そっれにしてもえらい上玉じゃない、勿体ないね〜」
そう言うとエンヴィーと呼ばれた男(?)は、女の前にを突き出す。
「食べていい?」
「食べちゃダメ」
「で、この子がそうなの?」
「そうね・・、ねぇ、お嬢さん」
「はっハイ!!」
何やら訳の分からない話をしていたので、油断して、上の空だったに女が急に話しかける。
「賢者の石について、知っていること、全部話してもらいましょうか・・・?」
「賢者の石・・ですか?」
ゴクリ、と喉を鳴らす
「話した方が身のためだよー、まっ、話しても大丈夫かどうかはわかんないけどねー」
「・・・賢者の石は・・・」

ギィ・・・重い石の扉を開けるエドとアル。
中はジメっとしていて、昨日とはまた別の雰囲気を醸し出している。
『最終兵器・・・って何だろう兄さん・・・』
「さぁな、でもこの部屋に”居る”って言ってたから・・住んでるのか・・?」
昨日は何も居なかった、と言う疑問に頭を抱えながらも
どんどん奥へと突き進むと、窓から光が漏れている。
その光を頼りに奥まで進む。
『窓だ・・・何か置いてあるよね・・』
エドが窓の元へ近づくと、地面に鉄の棒が落ちている。窓の脇には壊された小さな鉄の籠が有る。
「鳥籠・・・?」
目を懲らして見てみると、鳥籠が置いてある。先程の音の主はどうやら抜け落ちた鉄の棒の様だ。
「うわっ!なんだ!!?」
『どうしたの兄さん!』
「なんか黒いのが・・・いてっ!!
『兄さん!!』
黒い小さな影がエドに体当たりしている。
しかし、次の瞬間、分厚い窓のガラスに激突し、気を失う。
「いってー何だコレ」
『これが最終兵器・・・?』
黒い小さな影をそっと摘むと、地下室を後にした。
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〜反省会〜
姫空「すっごく気になる終わり方をしてみました。」
エド「そういうのやめろよ!マジ寝られねーだろが!!」
アル「兄さん!落ち着いて!!」
姫空「その方が、”次が読みたい〜って言う心が掻き立てられるじゃ無いですか!」
エド「オレが眠れないと、ドリームだって書けねぇだろうが!!」
アル「兄さん、めるならとっくに逃げ・・・」

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