◆・・・4章:賢者の石 |
「うっわー!!きもちいいー!!!」 車の荷台で立ちながら絶叫する少年、エドワード・エルリック 『もう、兄さん!立ったら危ないよ!!』 それを宥める弟、アルフォンス・エルリック 「スッゲー!!オレは今、風と共に走っている!!」 『んなワケ無いでしょ!兄さん!!座って!!」 ひょんな事から、はこの二人と車に乗る事になった。 「それにしても、二人があのエルリック兄弟だったなんて・・・」 先程、自己紹介をして、心底驚いたと見える。 一度会ってみたいと思っていた鋼の錬金術師が今、目の前に居るのだから 驚きが隠せないのも無理はない。 「は何で国家錬金術師になりたいんだよ?」 絶叫しまくっていたエドワードがちょこんと隣に座った。 宥めていたアルフォンスも、エドワードの隣に座って一緒に聞いている。 「えっ?理由・・・・・・父さんに無理矢理ならされたから・・;」 最低な親だな!可愛い娘が軍の犬になってなんとも思わんのか!、と 何故か親身になっているエドワード。 「やっぱり・・理由はあった方がいいよね・・。あっ!」 が何かひらめいたようだ。 「何か見つかったのか?」 「目標を成し遂げたい。」 『目標・・・・・・・?』 「母さんが出来なかったこと・・・賢者の石を作りたい・・」 「『賢者の石!!??』」 二人の目の色が変わる。 「えっ!?う、うん;私の母さんはお爺さんの代から錬金術師で、賢者の石を研究してたの」 「それで!?」 エドがに食い付く。必死だ。 「お爺さんは賢者の石の錬成に失敗して命を落として、母さんも失敗して左目を失明して右足も無くなって」 『失敗?』 「うん、賢者の石・・って赤色でしょ?なのにお爺さんは何も錬成さえ出来なくて、母さんもこの」 が帽子に付いている石を指さす。 「緑っぽい色の石しか錬成出来なかったの。」 そうなのか・・、と少し静まるエドワードとアルフォンス。 『じゃあお母さんは賢者の石の錬成陣を知ってるんだね?』 「えー・・っと・・・・たぶん。」 その言葉に突然元気になるエドワード。 「マジ!」 「まじ?」 自信のなさそうな。 「よっしゃー!!有力情報ゲットー!!なぁ!、家行ってもいいか?」 「どうぞー、でも先に東部に行かないといけないみたい。」 「よっしゃー!!それでもいい!」 『やったね!兄さん!!」 失敗作の製造者でも、それが大きな手がかりになるかもしれない。 そう思い、話を聞くことにしたエドワードとアルフォンス。 「で、は賢者の石作りたいんだろ?」 「んー・・うん」 『どうして?』 「えー・・・っと腕を治したい。それで母さんの目も足も治してあげたい。」 「えっ?腕?」 が手袋を外して袖を捲り上げる。 『「機械鎧・・・」』 肘まで伸びた機械・・・肘あたりには無惨にも痛々しい接続部分。 「犬を生き返らせようとした。で、こうなった。」 「犬・・・」 静まり返る荷台。が手袋を被せた。 「でも、そのお陰で得た物も大きいし。別に後悔はしてない!」 「そっか!」 笑顔のにエドワードも笑顔で答える。 「エドは何で国家錬金術師になったの??」 正直、始めは話す気なんてなかったエドワードだが、 同じ苦しみが分かる、と言う事もあってすべて話した。 「そっか・・・それで賢者の石が・・・」 『うん、そうなんだ』 うんうん、と。本当にこの話の重みが分かっているのか・・ 「で、もう夕方なんだけど・・・」 エドワードがムスッとしながら呟く。 「大佐ー!!まだ着かねーのかよ!!」 荷台から身を乗り出して、車の窓の方へ話しかける。 「まだ4時間程しか走っていないであろう?あと14時間程で着く。」 「じゅうよっ!?かかりすぎだろ!もっととばせ!!」 『無茶だよ兄さん、これ以上とばしたらボクたちが吹っ飛んじゃうよ』 アルは飛ばねーだろ!!、と失礼な事を言うエドワード 好きで重くなったんじゃないもん、とアルフォンス 「文句言うなら降りろ!汽車ならもっと早く行けるだろう?」 「意地でも降りねぇ」 叫んで文句行ってるエドワード。 「あっ!一番星!!」 『ホントだねー』 我が道を行くマイペースなにアルフォンス。 「大佐、もうそろそろ代わりましょうか?」 「意地でも最後まで運転してやる!!」 エドワードに文句言われて、何故かやる気の出ているロイ大佐、 変な意地をはっている大佐に少々呆れ気味のホークアイ中尉。 にぎやかな車はどんどん東を目指し、走り続けるのでした。 それから14時間・・・・ BACK TOP NEXT 〜反省会〜 エド「進まねぇ・・・」 姫空「エドとアルの秘密をちゃんに話したじゃないですか?」 アル『ボクはあんまり話してない・・・』 姫空「頑張って進めます・・・;」 感想とか苦情とか待ってます。 |
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