◆・・・14章:二つ銘は鋼

「降りて来いよド三流、格の違いってやつを見せてやる!!」
「・・・なるほど、そうか貴様・・・」
教主が冷や汗をかきながら言う。
「なぜこんなガキが”鋼”なんぞという厳つい称号を掲げているのか不思議でならなかったが・・・そういう訳か・・・」
「別にいいじゃん!”鋼”って二つ銘かっこいいじゃんか!!」
『ボクもそう思うー』
「貴様等!黙っておれ!!このチビの次はお前等だ!!」
教主が顔を真っ赤にしながら罵声を浴びせる。
「誰がマメツブミクロどチビかぁー!?!?」
「上等だぁ、かかってきやがれー」
『うわぁ、、その言い方すっごく心こもってないねぇー・・』
教主が達をキッと睨み付けながら話の続きを始めた。
「ロゼ、この者達はな、錬金術師の間では暗黙のうちに禁じられている「人体錬成」を・・・」
「最大の禁忌を犯しおったのよ!!」
『((”この者達”って事は・・ボクも入ってるのか・・イヤだなぁ・・・・・・))』
この状況で、教主の話の領域に入ること自体が嫌なアルは、そんな事を心から思った。
「くくく・・・エドワード・エルリック!!貴様それで国家錬金術師とは!!これが笑わずにいられるか!?」
「いられるでしょ。大体何処で笑うところが?私はあんたの顔を見てる方が笑わずにいられないの!!」
「石がなきゃ何も出来ないどサンピンが!!」
ピキッと教主のハゲ頭に青筋がはしる。
「なるほどなるほど、それで賢者の石を欲するか。そうだなぁこれを使えば人体錬成も成功するかなぁ?」
「カン違いすんなよハゲ!石が欲しいのは元の身体に戻るためだ」
「そうそう。だから抵抗しないで石頂戴よ!って言うか渡せハゲ
『もう一度言う。ハゲ教主さん、痛い目見ないうちに石をボク達に渡してほしい』
プツンっと糸の切れる音がする。
「さっきから黙って聞いていればハゲハゲと・・・貴様等全員神の元へ送りとどけてやろう!!」
教主が腕を変形させた銃の銃口をエド達に向ける。
ドガガガガガガガ!!
「ははははははは、は・・・!?」
「私ってばたぶん・・いや絶対カミサマに嫌われてると思うから、行っても追い返されちゃうと思うよ」
煙の消えた先には高い氷の壁が出来ていた。
「ち!!」
教主は舌打ちすると、標的をロゼに定めた。とっさにアルがロゼを抱えて駆け出す。
ギギギギギギと音をたて、アルに当たった弾は跳ね返りエドとの横をかすった。
「「・・・・跳弾こわ・・」」
『・・・・・・ゴメン・(汗』
3人の間にしばしの沈黙。
「・・いったん出るぞ!」
「バカめ!!出口はこっちで操作せねば開かぬようになっておる!!」
「ああそうかい!」
エドがパンと手を合わせ、壁につけると、電流が走り大きな扉が出来た。
「んなぁ――――っ!!!!」
「出口が無けりゃ作るまでよ!!」
「何をしておる!追え!」
バン!と勢いよく扉を開け、外へ出ると、信者たちが追いかけてくる。
後ろから追いかけてくる信者に加え、さらに前からも信者が詰め寄ってくる。
アルもエドワードも悪戯な笑顔を浮かべながら信者をズタズタと倒して行っている。
「(うわぁ・・すごい倒しっぷりだなぁ・・信者さん可愛そう・・・)」
ドンッ
そんな事を考えながら走っていると、前方の信者に勢いよくぶつかった。
「あっ、すみません。怪我ないですか??」
「いえいえどうもそちらこそ・・・じゃなくて!、お嬢ちゃん、おとなしく此処で捕まった方が身のためだぜ」
!待ってろ!!今行く!!」
囲まれたに言うのが早いか、ぶぎゅっと言う鈍い音が響く。
「ごめんなすって!」
は信者の顔を踏みつけ、飛び越えた。
「こんな所で捕まるわけにもいかないんで」
そう言うと、未だ信者を目の敵に殴りまくっているエドワードの服を掴んだ。
「まだヤリたらねぇ!!」
「信者さん死んじゃうでしょ!もう、悪いのは全部あのハゲ教主なんだから!信者さんは悪くないでしょ!」
エドの手をひき、はるか前方で待っているアルを追いかけた。


「この部屋は何ですか?」
走ってる途中、扉のない大きな部屋があり、気になったのかがロゼに問いかける。
「放送室よ。教主様がラジオで教義する・・・」
「ほほ――――う」
「・・・・何やら使えそうですねーv」
二人の考えは、もはや言うまでもなく一致していたのであった。
が、が窓から見える黒い物影に気付く。
エンヴィ.....」
大声を出した途端、背後の3人とぴったり目が合う。
「あ・・・えぇ〜っと・・・その・・・私、ちょっと用事が・・・ね?」
「なんでこんなところで・・・用事?」
窓の縁に手を掛け、もう降りようとしているにごもっともな質問。
「ちょっくらお礼でも言いにとオモイマヒテ・・・」
『誰にさ!?』
「う〜ん・・・まぁ色々・・すぐ戻るから!」
「ちょっと待て!此処何階だと思って・・・」
エドの忠告も虚しく、はもう窓から飛び出した後だった。
忘れられていた黒い鳥がエドワードの傍らにちょこんと残されていた。
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どうやらちゃんは、ハゲタコ教主退治よりも
エンヴィーさん達のお礼を優先したようです。
がんばって!(何

更新遅れて申し訳御座いません!今後頑張って早めに・・・!
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