◆・・・13章:人質

「(う〜ん・・錬金術の用意をして来いって・・・何すんだろ・・倉庫でも作らされるのかな・・?)」
は階段を下りていき、教主の部屋へと急ぐ。
「教主様ー!到着致しましたー!!」
先ほどまでとは違い、元気を取り戻していた。
「遅かったな。早速だがこれから来る錬金術師を始末して欲しい。」
「始末・・ですか?」
いくらなんでも同じ錬金術師。何もされてさえ居ない初対面の方を始末するのはどうかと・・
の心の声は、どうやら教主へ届いていたようだ。
「軍から追放されている罪人だ。このままではこの町が危ないのだ、頼んだぞ!」
・・仕方ないがやるしかないだろう!と気合いを入れて敵を待ちかまえる
ギィ・・・
扉が開く。階段の上からだが、構える手にも力がこもる。
「へっ「いらっしゃい」だとさ」
ギ・・バタン
「(へ・・・・?・・・なんか・・・今の声は・・・・・)」
「君は此処で待て、私が合図したら来てくれ」
「ちょっちょっと待って下さい!」
「何だ?早くしてくれ、もう来ているのだ」
何処かで聞き覚えのある声に、少し嫌な予感が過ぎる。
「あの・・その錬金術師の・・名前は・・?」
エドワード・エルリック。鋼の錬金術師だ」
「エド!?」
思わず出してしまった名を、飲み込むように口を押さえる、が
そんな事を聞き逃す筈も無く、教主に言い寄られる。
「お前まさか・・!?アイツ等の仲間か!?」
「仲間と言う程のモンじゃないかもですが・・まぁ一応知り合いでは有ります・・か?」
フッと不気味に笑みを浮かべる教主。
「最高の人質が手に入ったぞ・・上手くいけば楽に消せそうだ・・」
「消すって!?そんな事させない!」
バッ!と手を合わせようとした瞬間、教主の側近の者が手を掴まえる。
「放して〜!」
後ろで柱に縄で結びつけられ、動けなくなる。
「そうもいかん。折角の人質を此処でみすみす手放すわけにはいかんのでな」
「そこでじっとしていろ!死にたくないのならな・・・」
とりあえず今は逆らわず階段の上で待っておくことにした。
教主は、が手を合わせただけで錬成できると言う事を知らない。
その御陰で、手は後ろに結ばれただけだ、しかし、少しきつくて手の向きを変えられない。
両手を合わせようにも、手の甲と甲が合わさっている状態なのだ。
それに、の周りには見張りが居る。どうにかこの見張りを突破しなければならない。
普段、休止活動実施中の頭をフル回転させて考えた結果・・・
「見張りのお兄さ〜んv縄がきつくて手が千切れそうなの!ちょっと緩めて下さらない?」
ダメもとでハート乱舞させながら、猫撫で声で頼む

「口の利き方に気をつけたらどうだ、こちらには人質が居るのだぞ?」
「・・は?そんな手にかかると思ってんの?大体人質にできる様なヤツなんて居....」
不安が過ぎる、まさか、とは思うがある人物が頭に浮かぶ。
そうだ・・元々はその人物を助けるために教会へ来たのだ。
、お前の仲間なのではないか?」
教主が言い放った名に、やはり・・と言う顔をするエドワードとアルフォンス。
アルの中に入っているロゼは何の事か分からず、動きの止まったアルとエドに疑問を抱いていた。

「あまり偉そうな口を聞ける立場じゃないだろう?仲間がどうなっても良いのか?」
「〜くそっ!」
エドと教主の話し声が聞こえる。逸る気持ちを抑えながら、警備員に話しかける。
「お兄さん!手がもげちゃうよ〜、ねぇっちょっと緩めるだけでいいからさ〜!ねっv」
可愛らしい女の子に頼み込まれると、さすがに冷徹の警備員の顔も少し緩む。
「仕方ないな〜、でも教主様には内緒な。」
縄を緩めるどころか、外してしまった見張り番。体を縛っているから大丈夫とでも思っているのだろうか
静かに手を合わせ、機械鎧を刃状に変形させると、素早く縄を切る。
「見張りのお兄さん」
「何だ?」
「縄緩めてくれて・・有り難う・・」
「いいえーどういたしま...」
立ち上がり、背後に立っているを見て絶句する警備員。
「あと、ごめんねv

「さて、では我が教団の将来をおびやかす異教徒はすみやかに粛清するとしよう」
ガコン、とレバーを下に降ろすと、扉の向こうから大きな合成獣が出てきた。
「この賢者の石というのは、まったくたいした代物でな」
大きな口に
「こういう物も作れるのだよ」
鳥のような足
「合成獣を見るのは始めてかね?ん?」
「そんな訳無いでしょ!第一、私のおじいちゃんだって合成獣だし!自慢話にもならないんだよーだ!」
何処からともなく、透き通った、この場には不似合いな声が響き渡る。
「なっ!?おじいちゃん!?ってお前!!どうやって・・!?」
「『!!』」
「このハゲタコ!アンタの所為でまだ2回しか使ってない手袋、破らなきゃいけなくなっちゃったでしょ!!」
ー!飛び降りろ!受け止めてやっから!」
トッと階段から飛び降りると、エドが上手くキャッチした。
「ナイスキャッチ!良い仕事してますねぇ〜」
「アラー、お褒め頂き光栄ですわーvじゃねーよ!!お前大丈夫だったのかよ!?」
「オールオッケー!!」
「貴様・・!!見張りはどうした!!」
「あのお兄さんですか?申し訳ないのですが、ちょっと眠ってもらってますー」
『良かったーが無事で・・・寂しかったよね・・迎に来るの遅くて・・ゴメンね・・?』
「ううん、来てくれただけで十分嬉しいよ・・・有り難うv」
満面の笑みでお礼を言うの背後から、存在を忘れられていた合成獣が襲いかかる。
素早く、エドワードはを抱きかかえ、後退すると、パン、と手を合わせ、凄い光と共に槍を錬成した。
「錬成陣も無しに敷石から槍を錬成するとは・・・国家錬金術師の名は伊達では無いという事か!!」
「おぉ、兄ちゃん格好良い!さっすが投げ国家投げ槍名人って事だけはあるねぇー」
「よくご存じで、そう、国家投げ槍名人、エドワードエルリックであーる、ふぉっふぉっ・・とか言ってる場合じゃねぇよな」
槍を持ち直し、体勢を整える
「だが甘い!!」
バキンッ!!
エドの槍がまるでゴボウの様に、容易く切られてしまう。
「ぐ・・・」
「うはははは!!どうだ!!鉄をも切断する爪の味は!?」
「エドワード!!」
向こうで甲高く笑いながら言葉を投げ捨てる教主と、エドを心配するロゼ。
「アル・・・」
『どうしたの?』
「・・エド・・とアルは・・何で私を助けに来たの・・?」
『へ・・?』
「私なんか放っておいても良かったんじゃ・・」
『何で?放っておけるわけないよ!は大切な・・・』
「大切な?」
『大切な友達だよ・・!がどう思ってるかは分かんないけど、少なくともボクは・・』
「・・ありがとう」
ゴギンッ!!
合成中は泡を吹きながら、音をたて、その場へ倒れる。
「ロゼ、よく見ておけ。これが人体錬成を・・・神様とやらの領域を侵した咎人の姿だ」
エドが合成中に切り裂かれた服を破り捨てながら言う。
「・・・・・・・鋼の義肢”機械鎧”・・・」
エドの腕を見た教主が歯ぎしりをたてながら言う。
「ああ、そうか・・・・・」
ズタズタになった服を脱ぎ捨てた。
「鋼の錬金術師!!」
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〜反省会〜
綺麗に終わってるし・・いや!続きますよ!ツルピカハゲ教主〜タコ頭は青春の香り〜編!(違!
なんか更新遅れてますが・・もうすぐ管理人学年末テストなんすよ(関係無
そして新しい連載もの書いてるんで(それやめりゃぁいいだろ?
まぁ!じゃっ!(逃げるなよ!)テスト終わったらデンデコボンボンUPしますんで!(変な擬音
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