◆・・・11章:偉大で小さな最終兵器

『「おじいさんー!?」』
「そうよーお祖父さんよー」
未だ信じられないような顔をして鳥を見つめるエルリック兄弟。
・・・それもそうだ。突然何の変哲もないカラスをお祖父さんだと言うのだから。
「お祖父さん・・なんであんな姿に・・・?」
「まぁ・・賢者の石錬成失敗して死んだ後、大方、誰かがカラスと祖父さんの魂を定着させたのだろう」
少佐がまじまじと言う。
『大方・・って?誰が錬成したんですか!?』
「誰なのか知らないのよねー。と言うかお祖父さんの魂が本当に入ってるのかも微妙だしー・・・」
「えぇ!?微妙で片づけていいんスか!?」
だめでしょうねー、との母。そうだなー、はっはっはー。と少佐。
本当に本当に可愛そうな、微妙扱いされているお祖父さん。と思われる鳥が
エドワードの頭目掛けて飛んできた。
いってー!!なんだよ!?このクソジジイ!」
『兄さん!仮にものお祖父さんになんて事言うんだよ!』
「鳥にオレの言葉なんぞわかるかー!?オレは早くを助けてーんだよ!!」
・・ごもっとも。早く助けてあげて下さい。

「知らないだなんて・・・まったく親子そろってお手上げだわー・・」
「親子!?・・・って母さんも・・・?」
「そうそう、昨日母さんにも聞いたよ。そしたらさー全く覚えてないのなんの。まったく笑っちゃうよ」
の母が、賢者の石の錬成方法から何まで全く覚えていないのは自主的に記憶操作したからだ。
奴等は知ってか知らずか心底沈んでいるようだ。
「はぁー・・また振り出しぃー・・。だるー・・・」
「もう少しだし。もう一人くらいかっさらって来たら?」
「かっさらうー。」
何やらブツブツと作戦会議を立て始めたエンヴィー達に、暇になってきた
ふきっさらしの窓から日が頂点まで達した空を眺めていた。

「いたいだろーが!!」
今もの祖父(仮)とエドは激しい死闘を繰り広げていた。
エドのスキのアリアリなパンチを俊敏に避け、髪を啄んだり、頭を突いたりと、嘴を巧みに使う。
野生の本能剥き出しで挑むエドをヒラリと交わす鳥、もといお祖父ちゃん。
『・・・早く・・助けなきゃ・・もうとっくにお昼過ぎちゃったよ・・・』
「そうだよ!このクソドリ!ジジィならの居場所くらいわかんねーのかよ!!」
『兄さん・・そんな無茶な・・・』
そういって後ろを見ると固まる大人達。
「・・・・・・そうだったわー・・助けなきゃー」
「忘れてたんですかっ!?」
「いやっはっはー。もうすっかり。」
『しっかりして下さい!!』
「・・・軍に捜索願でも出しましょうか?」
「いえーそんな気を遣わないでー、あの子ならなんとかするでしょー・・と行っても遅すぎるわねー・・」
「出かけたんじゃなくて攫われたんスよ!!あー!!ー!!カムバーーーック!!」
『わぁー!!兄さんが壊れたー!!』
何やら壊れ気味の一同をのほほんと眺めていたの母は、
急に何かをひらめいたかの様に、祖父(仮)に向かって叫んだ。
「・・・おじいちゃーん、の場所までエド君達を連れて行ってあげてー」
コクリ・・と頷く祖父(仮)、転ける兄弟、固まる大人一同。
「「・・・・」」
「・・・その手があったかー。さすが母さん・・父さん思いっきり忘れてた。」
「場所分かるんですかー!!??」
『そんな大事な事、思いっきり忘れてたんですかー!!??』
この夫婦に付き合っていたら心底疲れる・・と心の底から思う大佐と中尉。
よくはこの夫婦と一緒に住んでいてグレなかったなぁ・・と関心してしまうほどだ。
ガーガー、と鳥・・もとい祖父(仮)はエドを急かすかのように頭の上に乗り鳴いた。
「・・・宜しく頼んだぞ・・鳥・・・。後・・頭の上で糞すんなよ」
『ほんとに大丈夫なのかなぁ・・・・・』
「よろしくたのんだぞー!!エロワードエロリックー!!!」
少し遠くなったエドの背中に向かって大声で叫ぶ少佐。
その先でズベンッと転けるエドワード。
「舌回ってませんよー!!少佐ー!!って言うかエロエロ言うなー!!」
プンスカ怒りながらも救出に、鳥(仮)の指し示す方へ急いだ。

日はもう傾きかけていた。橙色の夕日がユラユラと地平線の向こうへ沈もうとしていた。
未だエンヴィー、ラスト、グラトニーは作戦会議らしき話し合いを繰り広げている。
逃げることだってできるかもしれない。しかしこの部屋は高すぎる。
いくら運動能力有り余るといえどもやはり骨にヒビくらいは入るとみえる。
「・・・帰りたい・・・」
あまりにも退屈すぎて、不満だって言いたくもなる。
「おわー!!」
何やらエンヴィーがこちらを見ながら驚いている。
「なっ、なんですか?」
「・・・ゴメン・・ホントゴメン・・・」
突然謝り出すエンヴィー。
「えっなっ何がですか!?」
「すぐ帰してあげるつもりだったんだけど・・すっかり忘れてて・・
「えっ!?あっいや、そんな、いえっどういたしまして?
困惑して意味が分かっていない上、状況把握が難しいようだ。
「早く帰してあげなさいよエンヴィー。」
「かわいそうー」
「ゴメンよっ・・・っと」
「わっ!」
再度を抱き上げて窓から飛び出そうとするエンヴィー。
「あっ、あの・・」
「ん?」
「どしたのさ?」
「・・力になれなくて・・ごめんなさい・・・」
何やら申し訳なさそうな口調で言うに再度目が点になっているエンヴィー達。
「あっはははははー!!はやっぱ面白いよ!」
大笑いしているエンヴィー。ラストまでもがクスクスと笑っている。
「はぁ・・」
どうして笑われているのかさえ分からない
「気に入ったわー・・このまま帰すのもなんだか・・」
「勿体ないね」
「もったいないー」
「へ?」
「では、私がこの子の担当を引き受けようか?」
扉から入ってきたハゲピカリンの男が言う。
「・・・そうね。アナタに任せようかしら・・・」
「かしらー」
「・・・・・・・;」
「えー・・は渡したくなーい」
自ら帰るチャンスを棒に振ってしまうだった。
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〜反省会〜
なかなか進みませんねぇー・・終わるまでに20話くらい行ったらどうしましょ・・;
ちなみに・・エドももうそろそろたんの居る町に着く頃だと思いますので。
たん!耐えて!(おまえが早く書け
ちなみにエンヴィーの一人称わからんからかけん・・・;
そしてたんママとたんパパは、たんを信じてるからあえて
心配してないフリをしてるだけであって、本心はきっと世界一心配してるからね!!(エドには負けてるかもね/ェ
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