◆・・・月の見える丘まで連れてって

「月が見たい」
初めはそんな、彼女の我が侭から始まった。



「迷った。」
暗い路地の中、金髪の少年がハッキリと言う。
彼の瞳の黄金色は、暗闇の中で月の光を受けて怪しく輝いている。
「迷っちゃったね!でも大丈夫!この様にかかればこんな暗闇くらいどうって事ない・・・ゎ?」
「ゎ?じゃねぇー。まぁどうでもいいけどさっさと歩け。とにかく歩け。」
「はぅ・・・分かってる・・・」
狭く暗く怪しい路地の間を抜ける。周りは高いコンクリートの壁。月も何処か寂しげに微笑む。

「ごめんなさい」

ポツリと彼女が言うもんだから、黙っているわけもない。
「何言ってんだよ!お前の所為じゃないだろ?」
「だって・・私が”月が見たい”って言ったから・・・窓から見えるので我慢してれば良かったのに・・・」
「でも窓から見る月よりも、どんな月よりも、綺麗な月を見に行くんだろ?」
彼の言葉にうんうん、と頷く彼女の手を握りしめ、足早に狭い通路を駆けて行く。
「しっかり繋いどかないと暗い闇夜に誘拐されちまうだろ?」

と、急に暗く狭い灰色の世界から、明るく広い蒼い世界へと投げ出される。
「わぁっ!!」
「おぉー!!」
一面に広がる星、星、そして星。雲が居るのか分からないほどの星が煌めく。
「うわぁ!すごいすごいっ!綺麗ー!!」
はしゃいで喜ぶ彼女の顔を見ていると、”来て良かったな”と心底思う。
「でもやっぱり月が一番だねvどんなに煌めく星よりも、静かに微笑む月が一番綺麗だもん」
ゆっくりと歩みながら彼女は言う。上ばかり見て歩いているものだから、石に躓いて転げそうになっている。
そんな彼女が愛おしくて仕方ない自分が、急に恥ずかしくなって下を向く。
「ばーか、ちゃんと足下見ろって」
「ばかとは何さ!?」
気がつくと一際小高い丘の上まで来ていた。
そっと座ると、柔らかい芝生がとても心地よい。
「あのね・・」
「何だよ」
「窓から見る月よりも・・丘の上から見るどんな月よりも・・エドと見る月が一番綺麗だよ・・v」
「・・ばーか」
「エドの”ばーか”は大体が照れ隠しなんだよねー。私、気付いちゃった♪」
「んなっ!?ばーかオレは別に照れ隠し・・・!」
「また”ばか”って言ったー!もぅ、エド可愛いーvv」
「うっせぇー!!」

その後、帰り道が分からないとか喚いていたら、弟くんが迎えに来たんですって。
だってこの丘、今日の宿からほんのちょこっと行ったところだったんですもの。

「我が侭聞いてくれて有り難う、大好きだよ、エドv」
そのヒトコトと、彼女の可愛い笑顔の為だったら何度でも道に迷っても良いと思うエドワード君でした。
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+アトガキ+
あっまーい!あますぎるよキクウさん!!(スピードワゴン気味に
甘甘路線を狙ってたわけでもないのに変に甘いのはさっきまでNARUTOの夢サイトを漁らせて頂いていた所為ですわv(何故
イヤ;ナルチョ関係ねぇよ;ただ月ネタが書きたかっただけなのでした。
オレンジデイズ終わっちゃったねぇ・・えっ?関係ないって?その通りだわ。

鋼夢を本気で頑張らなくちゃいけないなぁ・・と思う今日この頃デスた。
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